1月28日(日)と29日(土)、市役所で松戸徹市長、丸山医療センター院長も出席した海老川上流まちづくりに関する初めての説明会が行われました。
説明会には地権者や業務代行者の㈱フジタからも人が来ていて、大声で質問者をヤジったり、事業賛成意見には派手に拍手をするなどして、説明会の品を落としていました。本来なら組合理事長とフジタの代表は事業側の人間として、市の職員とともに説明者席に座るべきです。いつも徹底して組合とフジタをかばおうとする市の姿勢は異常です。
冒頭、市側は市の説明部分だけを録画して公開するとしたため、参加者から質疑応答まで公開すべきだとクレームが。市は質疑応答は音声で公開すると回答しました。
配られた資料には目新しいものはないものの全部で49ページ。一方説明会全体に与えられた時間は1時間半であったため、開始早々、時間の短さについて参加者からクレーム。実際に質疑応答では、説明には納得できないという参加者からの質問が途切れず、両日とも説明会は30~40分延長されました。
それでも市民にとっての最大の疑問「災害が多発することが予想されている時代に、なぜ莫大な税金を払って災害を生むような事業をするのか」「なぜハザードエリアに医療センターを移転させるのか」について納得できる説明はなく、また「埋め立てはもう始まっているのに、県の河川工事が終わるのは10年くらい先。その間はどうするつもりなのか」という質問にも回答はありませんでした。(質疑応答の例を最後に付けました)
市長は「見直しはしない」
問題は市長の主張です。この開発事業は市の将来にとって重要であるという従来からのアバウトな主張がなされたのは想定内だとしても、質疑応答でたくさんの疑問が出されたにもかかわらず事業を見直す気はないと明言。たとえば「石川県の馳知事と親しい県議が、今回軟弱地盤に建っていた建物が軒並みやられたと聞いている。それでも市長はこの事業をやるのか」と問われ、「(対策をするので)変える予定はない」と返答。
また参加者から「海老川上流地区(メディカルタウン構想の予定地)は遊水地であり、さらに緑による自然のラジエーターの役割がある。自然環境を守ることは未来への重要な課題でもあるのに、あそこをつぶしてしまっていいのか。考え直せないのか」と聞かれた時には「あなたとは考え方が違うので(見直しはしない)」と否定。
また市長は「私は農家の生まれだから農家のことがよくわかる。農家は相続税が大変なんです」と述べました。それならなぜ海老川上流地区の農家だけを税金で救済するのか答えてもらわなくてはなりません。
公開討論会を申し込みます
このように、相変わらず市側の一方的な説明だけでこと足りるとする市の姿勢が変わらないため、市民連絡会代表の江川は市長に「多くの市民が事業のプラスとマイナスがわかるように公開討論会を申し入れるので受けてもらえるか」と問うと、市長は「文書を見て考えます」と回答。
市民連絡会はこれから正式な申し入れ書を作成します。ご期待ください。
質疑応答(例)
(Q)あんなに条件の悪い土地に病院を建てる理由は?
(A)平成26年の基礎調査で、現地建て替えはデメリットが多いという結果になった。
広い土地が必要。船橋には他に適地はなかった。
(Q)病院が駅から一番遠いところになっている。駅前ではなかったのか。
(A)もともとの計画は駅前。2019年に土地区画整理組合の準備会から移すようよう提案があり受け入れた。遠くなる代わりに駅から病院までの歩道を広くする。
(Q)建設費の高騰のため、ほかの自治体では様々な事業の見直しをしている。船橋もお金が必要。計画を見直さないのか。
(A)市として賄えると判断。市民の命を守るために躊躇してはいられない(市長)。
(Q)身の回りの福祉が削られている。たとえば母子家庭の高校進学補助金が廃止されて女性と子供が住みにくくなっている。女性と子供の目線から見ると事業から撤退してほしい。孫の世代まで・・・というのなら、たとえば子どもが遊べる親水公園にできないのか。
(A)海老川上流地区は私有地。他の用途は考えていない。船橋の児童公園の数は多いので公園にすることは考えていない(市長)。