「メディカルタウン構想の賛否を問う」住民投票の実施を求めた私達の直接請求は、残念ながら地方自治法第74条が定める規定の署名数(有権者の1/50=10732筆)に226筆届かず、文書(請求理由などを記した請求書、条例案)を市に提出することができなかった。
そのため、私達が求めたのと同じ内容の住民投票を、市議会または市長に実施してもらおうと、11月13日に市議会に陳情書(下段参照)を出した。
どういうこと? と混乱する方がいるかもしれないが、実は住民投票は首長や議会(議員)の発議でも実施できるのだ。つまり自治体の重大事項について行政などが市民の意見を問うケースだ。平成27年と令和2年に行われた「大阪都構想の賛否を問う住民投票」が有名だが、他にも「南アルプス市庁舎整備計画について問う住民投票」(H27年)、「浜松市の再編に関する住民投票」(H31年)など、しばしば実施されている。
今回のテーマはどうか。「ふなばしメディカルタウン構想」は、海老川上流地区という私有地の開発に約1000億円もの市費を投入する巨大事業だ。市の財政を圧迫し、学識経験者達から洪水や液状化の危険まで指摘されている。そんな事業に対し、そもそも市民が動く前に、市自らが市民の声を聞くべきというのが私達の考えだ。
審議されたのは桜井信明議員(公明党)が議長を務める12月7日の総務委員会。しかし9人の議員たちは事業の内容について全く触れず、はまの太郎議員、斉藤誠議員、今仲きい子議員が必要な署名数に達していないことや、直接請求制度から見た本陳情について意見を述べただけだった。唯一岩井友子議員が、日付、名前、住所、生年月日をすべて自筆で行う法定署名の重さを説いた。
結局、陳情に賛成したのは岩井議員のみ。ほかの議員のほとんどは、理由を語らぬまま不採択に手を挙げた。
陳情は今議会の最終日に全議員によって再度審議される。
<総務委員一覧> 桜井信明(公明党) 今仲きい子(飛翔) 岩井友子(共産党) かいさち(無所属) 神田廣栄(市民民主連合) 小平奈緒(結) 齊藤誠(市民民主連合) 七戸俊治(清風) はまの太郎(無所属) 松橋浩嗣(公明党)